Yoshiya Hirayama


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sound sketch in the night

分離して考えられがちな視覚体験と聴覚体験の関係性を再考し、一元的な体験として風景を捉えることを試みる。そこから風景画としての新たなイメージを浮かび上がらせる。外部情報を受容するための2大感覚器官である視覚と聴覚。主に視覚は光(電磁波)によって生じ、聴覚は音波によって生じる。基本的に視覚は空間情報を、聴覚は時間情報を取り扱うともいわれている。入力刺激の物理的性質の違いは補完・相互作用する。例えば、音源の位置を把握する際の視覚的な影響や音域による視覚感度の影響はよく知れている。また、色聴(音を聴くと色が見える)や音視(色や形から音が聞こえる)などの共感覚ほど極端な事例でなくても、「黄色い声」「暗い音」といったような各々の感覚モダリティを越えた通様相性現象(intermodality)は頻繁に表現に用いられている。感覚器官はそれぞれの特性を生かしながら協同作業し知覚している。今作品では、街の環境音を記号や線に置き換えて描写するサウンドスケッチと風景写真を組み合わせて、環境音から見えてくる風景・形象から聞こえる音を黄金町の一つの潜在的な風景の記録として残していく。